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新規開店、新装リニューアル、新メニュー開発・・・・。 時として失敗を恐れぬチャレンジが必要な飲食店経営。 でも、だからこそ、「経理」で失敗してはいけません。 本書はあらかじめ「飲食業経理の失敗」から 貴店を守る一冊です。 お買い求めはコチラ |
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私は会社を設立し、居酒屋を経営しているAと 申します。 店をオープンしてから4年程が経過し、オープ ン時に中古で購入した冷蔵庫がかなり古くなって きたので買い換えを考えておりました。 ちょうどその頃、搬入に来ていたビール会社の 方に冷蔵庫の話をしたところ、「我が社の社名が 入った冷蔵庫を店内に設置してくれるのであれ ば、うちの宣伝にもなるので無償で提供しますよ」 と言われ、そのビール会社の社名の入った冷蔵庫 を無償でもらうことにしました。 この冷蔵庫は無償でもらったものなので弊社で は特に経理処理はしておりませんでした。(後で その冷蔵庫はビール会社が120万円で購入した ものだ、と担当者から聞かされ、このときは「かな り得をしたな」と思っていました) 決算が近づき、例年通り顧問税理士と打ち合わせをすることになりました。その時に顧問税理士 に「あの冷蔵庫は以前にありませんでしたが、どう したのですか?帳簿にも載っておりませんが?」 と聞かれたので、ビール会社から無償でもらった ことを話したところ、「このような場合にはもらっ た冷蔵庫の時価の一部を受贈益として収益に計上 しなくてはいけません。さらに、受贈益の金額を 冷蔵庫の取得価額として資産に計上し、減価償却 も必要になりますよ」と指摘を受けました。
モノを無償でもらった場合には収益 (受贈益)という経済的利益が発生し、贈 与を受けた固定資産については資産とし て計上する必要が生じます。(広告宣伝 用資産の贈与を受けた場合には、それ以 外の資産の贈与を受けた場合と受贈益 (経済的利益)の考え方が少し違います が、資産計上するという基本的な処理方 法は同じです) 一般に固定資産などの「モノ」をもらっ た場合には、現金をもらった時のように 「入金」という処理がないので「収益」と いう認識が薄く、何の処理もしなかった ことが今回の失敗のポイントです。
飲食店がビール会社などの製造業者から 固定資産の贈与を受けた場合には、まずそれ が広告宣伝用資産であるのかを判定します。 判定の結果、その固定資産が広告宣伝用資 産に該当しない場合にはその資産のその贈 与を受けた時の時価で受贈益を計上し、同額 をその固定資産の取得価額とします。 判定の結果が広告宣伝用資産に該当する 場合には、製造業者等のその資産の取得価額 の3分の2に相当する金額を受贈益として 計上し、同額をその固定資産の取得価額とし ます。 本事例では製造業者等から贈与を受けた 資産が広告宣伝用資産に該当しますので、製 造業者等のその資産の取得価額の3分の2 に相当する金額を受贈益として計上し、同額 をその冷蔵庫の取得価額としますので、 120万円の3分の2の金額である80万円 を受贈益として計上し、冷蔵庫の取得価額 80万円を計上します。
1 .固定資産を贈与された場合の処理
法人が固定資産を贈与によって取得した場合には、贈与を受けた資産の
贈与時の時価を受贈益として益金の額に算入されます。
同時に、その資産の時価にその資産を事業の用に供するために直接要し
た費用の額を加算した額をその固定資産の取得価額として処理します。
(例)贈与された120万円の冷蔵庫を設置するため、取付費10万円を現金
で支払い、事業の用に供した場合の仕訳
設備備品 130万円/受贈益 120万円
現金 10万円
2 .店がメーカー等から資産(広告用宣伝用資産)を贈与された場合
この事例のように、店が仕入れ先メーカー等から資産を無償で取得した
(=贈与された)場合には、その資産を仕入れ先メーカー等が取得したとき
の「取得価額」(事例のAさんの場合、ビール会社が冷蔵庫取得のために支
払った120万円)を経済的利益の額(受贈益)を益金の額に算入します。
ただし、その取得した資産が以下に掲げるような広告宣伝用のものであ
る場合には、その経済的利益の額(受贈益)は、製造業者等のその資産の取
得価額の3分の2に相当する金額とし、当該金額(同一の製造業者等から2以上の資産を取得したときは当該金額の合計額)が30万円以下であるとき
は、経済的利益の額はないものとします。
(1) 自動車(自動三輪車及び自動二輪車を含む)で車体の大部分に一定の
色彩を塗装して製造業者等の製品名又は社名を表示し、その広告宣伝
を目的としていることが明らかなもの
(2) 陳列棚、陳列ケース、冷蔵庫又は容器で製造業者等の製品名又は社名
の広告宣伝を目的としていることが明らかなもの
(3) 展示用モデルハウスのように製造業者等の製品の見本であることが明
らかなもの
Aさんの事例のように広告宣伝用資産を直接贈与された場合だけでな
く、販売業者等が製造業者等から広告宣伝用資産を取得するためにお金を
もらった場合についても同様の処理をしなければなりません。
また、仕入れ先メーカー等の広告宣伝用の看板、ネオンサイン、どん帳
のように、明らかに広告宣伝のための資産を受けた場合は、受贈益を計上
する必要はありません。